まぼり幼稚園の1年間の教育活動は、幼稚園教育要領に則った公立幼稚園の教育活動とほぼ変わりません。それに加えて、どこの園も行っている教育活動だけでなく、広く緑豊かな園庭や安全で変化に富んだ自然豊かな地域環境を十分に生かし、特色ある教育活動を多く行っています。また、年間を通して、子どもたちは室内で活動する時間より、圧倒的に外で遊びを中心とした活動をする時間の方が多いのも特色といえます。
○園庭のいろいろな場所での泥んこ遊び、あちこちにある草原や植栽の中での虫捕り、いろいろな形状の樹木への木登りなど、普段家庭ではなかなかできない遊びを子どもたちは1年中楽しんでいます。子ども時代(幼児期)に、そうした遊びの経験をたくさんしてほしいと考え、園の生活の中に積極的に取り入れています。
○園庭にある畑で、学年に応じて野菜を育てます。特に年長の子どもは、自分たちが主催する「カレーパーティー」のために、年中の時からジャガイモの植えつけをして準備をします。年長になってからはナスやカボチャの苗を植えつけ、ニンジンの種を蒔き世話をします。6月の終わりには、世話をした野菜の収穫をします。それをカレーの食材の一部にします。お家の人にお手伝いをしていただき、野菜を切る経験もします。そこで作ったカレーは、ほかの学年の子どもを招待して、「カレーパーティー」でご馳走します。ほかの学年もキュウリやトマトなどを育て、それを食べます。野菜を育てたり、料理をしたりする経験、そして自分たちが作った料理をほかの学年の子どもに食べてもらう喜びを経験をとおし、食育や命を大切にする心を育てることを自然に行っています。また、人のために何かをする喜びを知る活動ともなります。
どの学年も変化に富んだ自然豊かな地域環境を生かす活動を、四季折々積極的に行っています。そうした自然豊かな地域の中に出かけて行く園外保育は、自然の季節の変化に触れさせるだけでなく、自然の楽しさや不思議さを感じ取らせることにつながります。そしてそれが、日常の園生活によい刺激となり、園生活がより一層活気のあるものになります。
年長の子どもは、同じ場所に繰り返し行くことで、自然の季節変化を直接感じ取り、そこで得たものが様々な形で園での活動の中に表れてきます。頭で学んだことでなく、体験したことから学んだことが日常の活動の中で発揮される様子を見ると、園外保育での成果を感じます。
○異年齢集団でいろいろなことに取り組む活動を年に二十数回行っています。兄弟学年や全学年が一緒になったり、同学年の学級の子どもや同じバスコースの子どもが一緒になったりして、同じ活動に取り組みます。その活動を「なかよし会」と言います。「なかよし会」では、年上の子どもが年下の子どもに自分が経験したことを教えてあげたり、面倒を見たり、お互いのつながりを一層強いものにしたりします。異年齢の子どもとなかなか交流できない小さい子どもも、「なかよし会」をきっかけに人間関係が広がります。また、子ども同士のつながりだけでなく、自分の学級の先生以外の他学級の先生たちとも知り合い、園全体が一つの学級のような雰囲気ができます。
○日頃の遊びや活動を積み重ね、人とのつながりを強める活動のまとめとして2月の下旬に園を含めたおおよそ250m四方の住宅地の道路を利用し「オリエンテーリング」を行います。この活動は、年長組と年中組の子どもがペアで、自分たちの持っているカードの色の順番に矢印をたどり、チェックポイントでスタンプをもらい園庭のゴールにたどり着く活動です。子どもたちのペアが、自分達の色の矢印を探していると、地域の人たちが家から顔を出し、応援してくれます。幼稚園の中だけの人間関係だけでなく、地域の人たちとのつながりも強くなります。この活動に至るまで、年長と年中のペアの子どもは園内で様々な活動に取り組んだり、一緒に遊んだりして信頼関係を強くします。その関係の中で年長の子どもは年中の子どもをリードするという経験を積み、年下の子どもを思いやる気持ちや責任感なども培われます。
「運動会」や「お楽しみ会」は、それに向けて練習をし、当日を迎えるのでははありません。子どもたちが、日頃楽しんでいる遊びや活動を生かし、それに教師が意図的計画的に刺激を加え、子どもの遊びや活動を発展させる中で、大きな行事につなげていくことに力を入れています。ですからとても自然な形で、楽しく遊んだり活動したりしているうちに行事の日になります。学年の下の子は行事の当日になっても、昨日までの遊びや活動の続きのような気持ちでいることが多いです。行事が近づくと、「幼稚園に行くのが嫌だ。」なんて言い出す子はまずいません。
七夕飾りを燃やす「笹焼き集会」、掘ってきた芋を落ち葉を集めて焼く「焼き芋大会」は、最近の子どもがほとんど経験することのないたき火や、野外で火を使って物を焼くといったことを経験できる貴重な機会です。まぼり幼稚園では、広い園庭と周りの人家があまり接近していないことを利用し、消防署の許可を得て七夕の笹飾りを焼く集会を行っています。願い事を書いた短冊や手作りの飾りをつけた七夕飾りを焼き、自分の願い事が天まで届くようにと炎や煙を見つめる子どもの顔は、とても神妙です。古くからの習慣を知るとともに火のもつ厳かな雰囲気を味わう経験も貴重です。
焼き芋大会は、自分たちが集めたり保護者にお願いして集めてもらった落ち葉でたき火をし、さつま芋を焼く集会です。落ち葉を燃やすだけでなく、その火でさつま芋を焼き、みんなで美味しく食べるという経験から、火のもつ力を実感します。最近は、家庭ではなかなかできない経験です。
園庭は、横20m、縦60m位の3分の1が少し狭くなった変形の細長い形です。3分の2の約500㎡がメイン運動スペースで、その脇に木陰になった約80㎡の砂場があります。少し狭くなった部分約150㎡の草原の部分が固定遊具スペースです。また、日当たりの良い保育室前には、30㎡の栽培スペースがあります。そして、園庭の周囲は約20種類100本を超える大小の樹木などで構成されています。園庭にある樹木や草花の四季の変化は、子どもたちの豊かな遊びの大きな源にもなっています。1階の保育室と園庭の間には、幅6mの多目的テラスがあります。そのテラスを通って保育室から園庭へ直接出入りができます。2階保育室からは、ベランダを通り大階段を降りるとすぐに園庭に出られます。多目的テラスは、園庭への出入りだけでなく、季節に応じて子どもたちの様々な遊びや活動の場にもなります。
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緑いっぱいの園庭と白い園舎
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吹き抜けの広い玄関ホール
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ゆとりある保育室前室
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明るく広い保育室
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各部屋にある清潔なトイレ
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お湯も出る保育室の手洗い場
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広い舞台のあるホール
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大きな冷暖房機でいつも爽快なホール
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各保育室の前には水道を完備
京浜急行馬堀海岸駅から徒歩2分