文庫幼稚園

2022.06.28

かまくらだより№6

✨リフレッシュ✨

 好きなことの一つにゆる山歩きがあります。今の季節はひときわ美しい緑に魅かれます。森林浴という言葉ががあるように、この深緑の中を歩くというのは気持ちがすっきりして体にとてもよいということを実感させてくれます。

 緑の中で運動したあとと、緑のない所で運動したあとの脈の話を聞く機会がありました。運動後の脈が平常に戻る時間を何度も比較した話です。実験では緑の中で運動したあとの方が約6割も早く平常に戻ったというのです。研究は植物の緑は体の疲れをとったり、何かをやり通すことに大変役立っているのではないかという結論に達したそうです。

森や野原の緑には次のような働きがあるそうです。 心がほっとくつろぐ ②目が休まる ③気力が湧く ④胃腸を活発化し、だるさが消える  木々の葉や川のせせらぎの音、鳥のさえずりは体にとても良い影響を与える

 緑の中を歩くーできればマスクを外してーというのもストレスの多い生活が続いている中ますます体に良い影響を期待できますね。

✨「お・か・し・も」のやくそく✨

 表題の「お・か・し・も」はかまくら幼稚園の避難訓練の合言葉です。皆さんが子どものころの合言葉はどんなでしたか。私が教員になったころは「お・か・し」の約束でした。異動した先では「お・か・し・も」、その次は「お・か・し・な・も」でした。「お・か・し」が基本で「も」「な」を加えたといったところでしょうか。

 幼稚園や学校は、他の建物よりも出入り口が数多くあってとても安全なところです。しかし、安全度は人の意識の持ち方によって変わるものです。たとえ幼児でも、「避難のための行動」や「自分の命は自分で守るという意識」を身につける大切さは変わりません。3年間繰り返し行うことで“自分の命は自分で守る”という感性の基礎が育てばと思っています。「お・か・し・も」の約束を今後もしっかりと身につくようにしていきます。

「お」・・・押さない 「か」・・・駆けない 「し」・・・しゃべらない 「な」・・・泣かない 「も」・・・戻らない

✨自ら育とうとする力を持っている✨

 子どもはそれぞれ自分の成長のためのカリキュラムを持っています。ですから一つのことを理解したり、習得したりする道筋はそれぞれ違ってきます。さらに、子どもが夢中になる遊びは、ほぼ子どもにとって必然性があるのです。発達理論はあくまでも平均値を示したもの。すべてがあてはまるということはありません。もしかしたら当てはまらないことの方が多いのかもしれません。理論に頼りすぎないようにして先生たちは「みんな違ってみんないい」を実践しています。

 「あこがれ」も必然の一つと言えます。自分の手の届きそうなことをやっている子がかっこいいのです。子どもは子どもをみて育つものです。教師がいくら進めてもしたがらないことも、一目見て「あの子のようになりたい」とあこがれると夢中になれるのです。

 トラブルは教師が解決するのではなく、教師が言い分に耳を傾けることで、子ども自身が解決していくものです。そういう力を子どもは持っているのです。先生たちはその力を引き出そうといろいろとアプローチしています。これが教育というものです。

 年中・年長になると気持ちを言葉で表現できるようになります。耳を傾けて聞き、仲間で共有し考えあうことで方向性をみつけていけるようになっていくのです。これはよく言われる主体的・対話的で深い学び。ずっと大事にしてきたかまくら幼稚園の教育です。

✨一粒の米の話✨

 江戸時代の儒学者の新井白石が少年の頃、父親からこんな話を聞きました。

「米びつから、一粒の米をとってもお米が減ったかどうかわからない。けれども、一年間か二年間、毎日一粒づつ取っていると、減ったことがわかる。反対に、米びつに一粒の米を加えても、お米が増えたかどうかはわからない。しかし、一年間か二年間、毎日一粒づつ加えていると、増えたことがわかる。学問も同じである。一日勉強したから利口になるわけではない。一日怠けたから愚かになるわけでもない。しかし、一年、二年続ければ必ず変わってくる。」その後、白石は一生懸命勉強するようになりました。

 小さな努力がいかに大切かを諭した「一粒の米」の有名な話です。まだまだ、かわいい幼児期の子どもたちの心の中でも、やり通す心、努力する心が揺れ動いていることでしょう。私たち大人もそれは同じですが、そんな子どもたちの心に寄り添って励まし、励まされ共に生きていきたいものです。

✨かがやく子どもの姿✨

 本日「ほしそらまつり」 これは年長の学年行事。幼稚園のみんなを楽しませようと準備を進めてきました。「みんなにはお店のことは内緒だよ」と言いながら楽しませてくれて景品をもらいました。何かなと思って見に来る先生や子どもたちを相手に実際にやってみることが練習になっているようです。とっても楽しみです。

 年中さんは集団遊びをよくやっています。これは楽しさを知るため、仲よくなるためばかりでなく友だちの名前を覚える機会にもしています。「ねえ、ねえ」ではなく名前で呼び合うようにと。こちらは今後がますますたのしみです。

 園長室に年少さんがときどき来ます。気づくと隣にいることがあります。そこで「入ってもいいですか」と声をかけてから入ろうと話したところ、すぐにやり直していました。素直な心にほっこりです。

園長  新井 宏明