2022.06.09
かまくらだより№5より
どう育てたいかではなく、どう育とうとしているかに目を向ける
教師は「どう育てたいか」に気持ちが傾きがちです。子どもへの願いや期待があるのですからそれは自然な心の動きです。 そこで大事になるのが自分自身の保育を振り返ること。
今日一日どれだけ子どもの気持ちに共感的に接していたか思いを巡らすのです。うまくいかないことばかりでつらいことも多々ありますが、「じゃあ、どうしようか」と明日の保育に向かう。これこそが「子ども自身がどう育とうとしているかに目を向ける」ということなのです。
先生たちは子どもたちそれぞれの輝きを大事にしています。
保育で大切なこと
〇幼稚園で生活するということ
・それは、友達を常に意識して、まわりの友達の影響を受けながら生活することです。
・様々な感情(喜び・驚き・悔しさ・落胆など)で心を揺さぶられる体験が心を磨き、成長を促します。
〇子どもは実感として心にしみて理解する
・幼児は、頭で考えて理解するのではありません。体験を通して実感として心にしみてはじめて分かるのです。
・友達とのかかわりの中で起こったいざこざや葛藤を通した子ども自身の気付きも大切にしています。先生たちは、目に見える言動だけでなく、目に見えない心の動きも見ているのです。
〇ゆっくり時間をかけて子どもと向き合う
・「待つ・聴く・受け止める」を大事にして、時間をかけ、根気よく指導しています。
・教師が自分の期待に沿うように指導して自主性などの心の成長は期待できません。
〇幼児は愛されることで他者を受け入れる
・子どもの成長には、子ども自身が愛されていると実感できるようにかかわることが大事です。
・「がんばってるね」「素敵な笑顔だね」「そこがあなたのいいところ」などと言葉で伝え、子ども一人一人に目を向け、愛情が伝わるようにしています。
〇 子どもとともに歩む意識をもつ
・教育というと教師が子どもの先頭に立って導くとか背中を押すといったイメージが先に立ちがちですがそればかりではありません。子どもと一緒に考えたり、喜んだり、泣いたり、悔しがったりその子の心の動きに共感して子どもとやり取りをしています。これこそが子どもと共に歩むということだと思います。
かがやく子どもの姿・・・毎日の一つひとつの積み重ね
入園、進級して約2か月が経ちました。
お母さんの抱っこから離れられなかった年少さんが、歩いて登園してきます。
園バスに乗って登園できるようになった年少さん。
「おはようございます」も言えます。
門の前で、「行ってきます」と言ってお母さんと離れてお部屋に向かっていくようになった子もいます。
登園の途中に拾った木の実や葉や花、ダンゴムシなどを手に持って、うれしそうに先生に見せにくる子います。
いつもバスの隣の席の年少さんと手をつないで門を通る年中さん。
年少さんの月曜日の重たい荷物をお部屋まで持ってあげる年長さんもいます。
先輩たちも少し“らしく”なってきました。
登園の様子は、ちょっとずつですが変化をしながらたくましく成長した子どもを感じさせます。毎日の一つ一つの積み重ねが、子どもの輝く姿を創り出しているようです。子どもの一人ひとりのがんばる心に、この上ないエールを送りたいこの頃です。